魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】
「昔、父様から聞いたことがある。クロウディア家が呪具使いを嫌っているのは、クロウディア家に呪具使いがいたんだけど、その呪具使いが呪具の力を制御出来ずに暴走してしまって、クロウディア家が滅びかけてしまったからって言ってたな」

クラルがモンスターの言葉に補足を入れるように言うと、アーサーは「……もしかして、ルーチェが捨てられたのも同じ理由なのか?」と呟いた。

その呟きを拾ったルーチェは「知らないよ。クラル様と出会う日以前の記憶はないし……」と返す。

『……話ヲ続けルぞ。私にハ、双子の妹が居た。可愛い私ノ大切な妹ハ、呪い耐性ガ高かったが故に捨てられた。そノ日からダ。呪具使いを恨み始めたノハ。お前ガいなければ、大切な妹ハ捨てられなかっタと。そして、こうも思っタ。呪具使いを消したい……と。だから、私は自力デ呪具ヲ見つけ出した。そこまでは、良かった……呪具に触れたラ、私ハこの姿になっていタ。それから、私ハ色んな人に襲われルようになった……モンスターだからナ。そして、もう何十年もこの世界ヲ彷徨っていル。いつしか、私ハ人間自体を恨厶ようになっていタ』

モンスターが話し終えると、周りは静かになった。そんな沈黙を破ったのは、クラルだった。
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