魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】
「…………それが、人々を襲っていい理由にはならいよ」

『ほウ?魔王であるお前ガ、ソレを言うのカ』

モンスターの言葉に、沙月たちは「魔王?」と反応する。

「確かに、僕は魔王だよ。魔王だから、世界征服を企んでいる……とか、魔王だから倒すべき存在だ……とか思わないで。僕に、お前らの勝手な妄想を押し付けないでよ!」

その言葉に、アーサーとティムはルーチェと出会う前までの魔王に対するイメージを思い出した。

「クラル様、話の論点がズレてますよ」

冷静に、ルーチェはクラルに話しかける。クラルは「ごめん……」と謝った。

『おい、そこノ呪具使い』

そう言って、モンスターはルーチェに目を移す。

「呪具使いじゃなくて、名前で呼んでよ……僕は、魔王であるクラル様の側近を務めているルーチェ・クロウディアと言います」

ルーチェは、不敵に笑いながら自己紹介をした。

『お前もクロウディア家ノ人間なのカ……アハ、面白くなりそうだナ!』

モンスターはそう言うと、ルーチェに向かって突進する。それを避けたルーチェは、杖を構えて呪文を唱えた。

すると、周りが紫がかった黒い幕に覆われる。その幕は地面を侵食して、空間を塗り替えていった。

「あんな所で、暴れる訳にも行かないだろう?異空間へ移動した」
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