魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】



「やっとだ……」

モンスターの召喚した悪霊を全部祓い終わった沙月は、戦っているルーチェに目を移した。

ルーチェはモンスターの攻撃を杖で防いでおり、苦戦を強いられている。

「…………ディスペル」

ルーチェが呪文を唱えると、ルーチェの足元から渦を巻くように飛び出した黒い光がルーチェを包み込んだ。

黒い光が弾けると、そこにいたルーチェの姿に沙月は驚く。ルーチェの背中には巨大な黒い翼が生えており、杖の形状が変わっていたからだ。

『驚いタ。それガその呪具の本当ノ力……』

ルーチェは無言で杖先をモンスターに向けると、闇属性の攻撃魔法を放った。その攻撃魔法がモンスターに当たり、モンスターは怯む。

「……嵐猫、ルーチェのあれって……」

戦うルーチェを見つめながら、葉月は近くにいる嵐猫に話しかけた。

「……あぁ。呪い耐性が高いとはいえ、使用するのは良くない類のものだね」

「そうだよな。あのモンスターとやらを、早めに倒した方が良いよな」

ルーチェとモンスターの戦いを見つめながら、2人は会話する。

「でも、どうやって?」

2人の会話を聞いていた沙月が、2人に話しかけた。

沙月が話しかけると、葉月と嵐猫は考え込む。
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