魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】
ルーチェは深く息を吐くと呪具の力を封印して、元の状態に戻ると空間が元に戻っていく。

次の瞬間ルーチェの体が傾き、倒れるルーチェを近くにいたクラルが受け止めた。

「ルーチェくん!?」

沙月は、ルーチェの名前を呼びながらルーチェに近づく。

『主人は、力の使いすぎで倒れただけです。そっとしてあげてください』

クラルの肩に止まり、八咫烏は言った。

「……スーさん、モンスターを倒したってことは……ルーチェも元の世界に帰れるんだよね?」

クラルがスサノオに問いかけると、スサノオは「帰れるよー」と答える。

「ここに長居する訳にも行かないし、そろそろ帰ろうか」

「そうですね。この世界に来た目的は、ルーチェを助けることでしたし……」

「というわけで、僕らは元の世界に帰りますね。僕の部下がお世話になりました!また、どこかでお会い出来たらいいですね」

挨拶をするクラルたちを無言で見ていたスサノオは、クラルに促されてルーチェたちを元の世界に転送した。



その日の夜。

あれから30分くらいで目を覚ましたルーチェに、いつもより早めに休むように伝えたクラルは、椅子に座ると自室にある手記とペンを手に取る。

そして、今回の出来事を綴り始めた。
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