魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】

八咫烏から降りてきたのは、ルーチェの友だちであるアーサー・ウィリアムズとティム・ラファールだった。2人は、ルーチェに近づく。

「全く……心配したんだよ？」

ティムは、手に持っていた杖で軽くルーチェを叩いた。ルーチェは「……ごめん」と謝る。

「ルーチェ」

ルーチェの名前を呼ぶ声が聞こえてきて、ルーチェは声がした方を見た。

「……クラル様……」

クラルの赤い瞳が、ルーチェを捉える。その時風が吹いて、クラルの青みがかった黒髪を揺らし、表情を見せたり隠したりする。

「心配させんなよ。バカ……」

クラルは、ゆっくりとルーチェを抱き締める。クラルの温もりを感じながら、ルーチェは「ごめんなさい」と再度謝った。

「うんうん……感動の再会……いいね！そういうの、好きだよ～」

「うるさい」

ルーチェたちにも聞こえる声で言ったスサノオを、嵐猫は再び風を起こして吹き飛ばす。

「うわ、スーさん……大丈夫ですか？」

ティムの近くまで吹き飛ばされたスサノオを見て、ティムはスサノオに声をかけた。

「これくらい、大丈夫……僕は、神様だから」

地面に仰向けになったスサノオに、今度は大きな雪の玉が飛んでくる。その雪の玉がスサノオに当たり、雪山になる。その雪山に、スサノオは埋まってしまった。