麻衣ロード、そのイカレた軌跡❷/赤き巣へ
その16
麻衣



あの女、しおらしいったらないわ

このまま”終れる”とでも思っているのかしら

フン、土佐原OBの持って行き方によっては、私も一勝負打って出るわよ

「よし。ここまでにしよう。それでだ、これまでを整理すると…」

土佐原先輩は、今日の幹部会で噴出した今までのコトを一つ一つ、列挙した

「…、さらに墨東の幹部、南部と相川補佐が一昨日、二人で会ったのは事実だったが、二人は個人的に交際していたと…。ふー、現執行部から荒子への継承がここで承認された今日、まあ、こういった事案が噴出したって訳だ。そんで、会議は紛糾したと…」

まさに、その通りだ

そこで、OB代表はどう持って行くんだ…


...



土佐原先輩は、冷たいお茶を一口飲み干してから、結論に入った

「オレの見解を、先に言わせてもらうぞ。はっきり言って、赤隊との問題は深刻だ。墨東サイドとの戦争に及ぶ危惧も否定できない。この時期、南玉内のこのドタバタは、現執行部の責任論も噴出してしかるべきだとも思う」

ふんふん…、それで、結局どういうことになるのかな

「そこでだ…。現執行への、みんなの態度を取りまとめたい。総長と補佐には一時、席を外してもらって、今後の方針を含めた意見を集約したいが、二人はいいか?」

相川と刃根総長はお互い顔を合わせ、目で確認し合ってるようだった

「先輩、それでお願いします。じゃあ、ウチらは一旦退席させてもらいます」

二人がドアを開けて出ていく際、相川が私を睨みつけたわ

どうやら私の”動き”、ようやく察したみたいだ

もう遅いっての!

この展開に至れば、やるべきことは決まった

勝負どころだ、このあとが…





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