麻衣ロード、そのイカレた軌跡❷/赤き巣へ
作者ナビゲート解説


ここで描かれる、本郷麻衣と相川夏美の最初の”対決”は、すでにアメリカ人との結婚を控え、紅組からの脱退・渡米が決まっていた”怪物”紅丸有紀が、なんと相和会トップの相馬豹一に”手を引かせる”というウルトラCの水面下工作に助けられ、夏美が麻衣の計画をギリギリの段階で阻止するという形に至ります。


その際、相馬が簡単に”降りた”と捉えた麻衣は、その憤懣を剣崎にぶつけ、挫折感に打ちひしがれます。しかし、ほどなくして麻衣が相馬の深意をつかみ取ることができた瞬間、彼女はまたもや一皮むけ、更なる進化を遂げることになるのです。


ここからまさしく、自らをインスパイアさせた彼女のイカレたロードはドラスティックにスケールアップすることとになるわけでして…。まさに、もうどうにも止まらない…、そんな形容さながらで、激走していくのですが、それは、相馬から会得した”ケモノ道”の実践に他なりませんでした。


...


故にこの後に続く再編劇でも、麻衣との壮絶な策略の攻防を満身創痍で戦い抜くことになる相川夏美は、皮肉にも、本郷麻衣という魔少女に禁断の洗練を与えてしまったということになると言えます。


その意味からも、都県境の既存フレーム再編成の勃発劇第1章とも言えるここでの展開は、『ヒートフルーツ』のその後のストーリーベクトルをリードしてゆく本郷麻衣の進む方向性を決定づけた、大きなステップステージと見ることができます。


そしていよいよ、あの夏の再編ムーブメントは多くの猛女たちを発熱させ、本郷麻衣の発するその磁力の下、一大クラッシュを呼び込むレールに乗るのです。





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