マフィアな彼らに御用心
家の前に黒塗りの高級車が停まってて、車の直ぐそばには、がたいの良い男の人が二人 こちらを見ている。
やばくない? このまま家を出て良いのだろうか…
藤崎の叔父さんは見えているはずなのに、全然動じていない。

「あの…」

「どうした香ちゃん、ごめんな、気がつかなくて」

その後がたいの良い男の一人に向かって

「おい」

えっ?

「はっ。お荷物お持ち致します」

私の持っていた鞄とキャリーケースを軽々もち、黒塗りの高級車のトランクに入れ、後部座席のドアを開け

「ボスどうぞ」

それに答えたのが、藤崎の叔父さんで

「ああ、さぁ香ちゃんも乗った乗った」

現実の目の前、極道の人がいるのを目の当たりにして、ひきつった顔を戻すのにどれだけ時間がかかっただろうか…

「道中長いから、ゆっくりしていくといいよ」

車は高速に入り快適な車中だが、隣を見れば口を半開きでイビキをかいて寝ている叔父さんがいる。

見てはいけない物を見てしまった?





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