双子怪盗Ⅰ Mission:怪盗専門の"怪盗"
最初に目に広がった光景は残酷だった。
人気のない部屋に散乱する写真。いつもなら両親は帰ってきている時間、なのに…。
「なにっ…これ!」
先に入っていたファメは思わず、訳が分からなくて悲痛な叫びをあげる。
(でも、こんな時こそ弟の俺は、冷静に考えなければいけないんだ。)
部屋を見渡すと、明らかに真新しい物が1つ。
近づいて拾い上げると、それはあるカードだった。
「レティナ家の方々にある美しい瞳、人ごと奪わせてもらったよ。なにせ、顔も美しいからね。
キミ達双子も大人になったら、盗みにゆく。
せいぜい待ってて。」
〈怪盗R.N〉
そうやって、裏に書かれたそのカード。ホログラムのようなものが表面全体でキラッと輝く。
それが、今は凄く憎らしい。
「怪盗だって?」
ファメもパニックから少しは落ち着いたのかカードを覗き込むが、心底憎らしそうに赤の瞳を細める。
そう、このカードに書いてあるように俺達一族は宝石の様な美しき瞳をそれぞれ持っている。
ファメはルビーのような真紅の瞳を。
俺はサファイアのような青き瞳を。
母さんはペリドットのような深緑の瞳を。
父さんはトパーズのような黄玉の瞳を。
その話は有名で、街の誰もが俺達の瞳のことを知っていた。
「息を呑むほど美しき瞳を持つものがいる_と。」
でも、まさか実際に奪われるとは思わなかった。家族を、大切な人を。
俺はカードとは別に、撒き散らされた家族写真を1枚ひろいあげる。
そこには父さん、母さんと俺、ファメの姿。そして、顔の部分を千切り取られた誰が。
どの家族写真もこの人だけは顔が破かれている。でも、この人を見た記憶は無い。
(いつ見ても不思議だよな…。)
それでも、俺はこの父さんと母さんの顔を見て、ある考えを実行しようと決めた。
《あの、平穏な何ともない家族の日常を取り戻したいから》
ファメを見ると、考えは…お見とうしみたいだ。
(フッ、敵わないな。)
「いいじゃん、奪い返そうよ!_怪盗ってやつから。」
人気のない部屋に散乱する写真。いつもなら両親は帰ってきている時間、なのに…。
「なにっ…これ!」
先に入っていたファメは思わず、訳が分からなくて悲痛な叫びをあげる。
(でも、こんな時こそ弟の俺は、冷静に考えなければいけないんだ。)
部屋を見渡すと、明らかに真新しい物が1つ。
近づいて拾い上げると、それはあるカードだった。
「レティナ家の方々にある美しい瞳、人ごと奪わせてもらったよ。なにせ、顔も美しいからね。
キミ達双子も大人になったら、盗みにゆく。
せいぜい待ってて。」
〈怪盗R.N〉
そうやって、裏に書かれたそのカード。ホログラムのようなものが表面全体でキラッと輝く。
それが、今は凄く憎らしい。
「怪盗だって?」
ファメもパニックから少しは落ち着いたのかカードを覗き込むが、心底憎らしそうに赤の瞳を細める。
そう、このカードに書いてあるように俺達一族は宝石の様な美しき瞳をそれぞれ持っている。
ファメはルビーのような真紅の瞳を。
俺はサファイアのような青き瞳を。
母さんはペリドットのような深緑の瞳を。
父さんはトパーズのような黄玉の瞳を。
その話は有名で、街の誰もが俺達の瞳のことを知っていた。
「息を呑むほど美しき瞳を持つものがいる_と。」
でも、まさか実際に奪われるとは思わなかった。家族を、大切な人を。
俺はカードとは別に、撒き散らされた家族写真を1枚ひろいあげる。
そこには父さん、母さんと俺、ファメの姿。そして、顔の部分を千切り取られた誰が。
どの家族写真もこの人だけは顔が破かれている。でも、この人を見た記憶は無い。
(いつ見ても不思議だよな…。)
それでも、俺はこの父さんと母さんの顔を見て、ある考えを実行しようと決めた。
《あの、平穏な何ともない家族の日常を取り戻したいから》
ファメを見ると、考えは…お見とうしみたいだ。
(フッ、敵わないな。)
「いいじゃん、奪い返そうよ!_怪盗ってやつから。」