水と油の私達

紅 side由乃

あの後色々あって今、あか…



「由乃ちゃ~ん!」

「ひぁっ!?」



び、ビックリした…

薪くんはそんな私を見てクスクスと笑っている。

もうやだ…!



「くっ、あはははっ!」

「っ~!!…も、もう帰る!紅のアジトなんて行かないからっ!!」



そう言って歩き出す私。

すると、薪くんに腕を掴まれた。

私は必死になって振りほどく。



「ちょっと、もうっ!触らないでっ!!」

「…ごめん…あまりにも由乃ちゃんが可愛くって、つい…許して?」

「ふんっ!」



私がそっぽを向くとちょこんと指先で私の服を引っ張ってくる。



「薪くんなんて、嫌いだから!」

「っ!!」



薪くんの手が、私の服から離れる。




何となく気になって薪くんの方を向いた私は絶句した。
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