「君と一緒!」〜人形の彼と同棲したら〜
彼は何でもないというような相変わらず穏やかな様子でそう言い、先ほどの自分で切った箇所を私に見せる。
「や、やだ…!…え…??」
顔を反らしていた私がそっとそちらを向くと、普通では信じられないものを見てしまった。
「…切ったとこ、血が出てない…というか、皮膚が…」
普通ハサミでケガをすれば、皮膚が多少えぐれて血が出てくるはず。
ところが彼のハサミ跡は、結構深く切っていたようなのに全く傷痕らしくない。
木の板やスポンジをハサミで切ろうとした跡のように全く出血もなく、彼は平然と先ほどと同じように穏やかな表情のまま。
「人間と違うでしょ?僕、傷は痛くないんだ。血は出ないんだよ、無いからね」
私はなんとか自分を納得させうなづいた。
「…う〜ん、人間じゃないことは…分かった!とりあえずバンソウコーを貼っといて」
「よかった!あとは…」
彼はフローリングに膝を付き、私をまっすぐに見て言った。
「君の痛いことはしないよ。嫌がったらすぐに止めるし、君の手伝いもする。だから、僕を使って?」
使う、という言葉が、まっすぐ私の心に響く。
(人形だから、かな…。役に立ちたいって、自分を使ってほしいって思ってるんだ…。なぜここに来たのかもわからないけど、やっぱり少しだけ様子を見ようかな…)
「や、やだ…!…え…??」
顔を反らしていた私がそっとそちらを向くと、普通では信じられないものを見てしまった。
「…切ったとこ、血が出てない…というか、皮膚が…」
普通ハサミでケガをすれば、皮膚が多少えぐれて血が出てくるはず。
ところが彼のハサミ跡は、結構深く切っていたようなのに全く傷痕らしくない。
木の板やスポンジをハサミで切ろうとした跡のように全く出血もなく、彼は平然と先ほどと同じように穏やかな表情のまま。
「人間と違うでしょ?僕、傷は痛くないんだ。血は出ないんだよ、無いからね」
私はなんとか自分を納得させうなづいた。
「…う〜ん、人間じゃないことは…分かった!とりあえずバンソウコーを貼っといて」
「よかった!あとは…」
彼はフローリングに膝を付き、私をまっすぐに見て言った。
「君の痛いことはしないよ。嫌がったらすぐに止めるし、君の手伝いもする。だから、僕を使って?」
使う、という言葉が、まっすぐ私の心に響く。
(人形だから、かな…。役に立ちたいって、自分を使ってほしいって思ってるんだ…。なぜここに来たのかもわからないけど、やっぱり少しだけ様子を見ようかな…)