再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
「あ、うん……年末から付き合ってるの」

えぇ？！
みんなは声にならず口が開いたままだ。

「ど、ど、どういうことなの？」

ようやく未来が言葉を発した。

「ごめんね、みんな国家試験で忙しそうだから言えなかったの。年末に京介から付き合おうって言われて、その、付き合い始めたの」

さっきまで泣いてた亜依の顔は、今度は耳まで赤くなり京介のジャケットの裾を握りしめていた。

「ごめん。みんなが大変なのはわかってたんだけど、亜依が別れたって聞いて我慢ができなかったんだ」

確か亜依には夏くらいに付き合い始めた彼がいたが、彼のペースについていけず、どこか暗くなっていた。けれど私は気になっていたのに自分のことでいっぱいになり声をかけてあげられなかった。
京介は見た目は少しぽっちゃりしてるが入学当初に比べてものすごく格好良くなった。彼もいろんな人に声をかけられるようになっていたにもかかわらず付き合わずにいたのは亜依が気になっていたからなのか。
そう思うと胸の奥が熱くなり、ふたりを心から応援したくなった。

「亜依、京介。本当に良かったね！　今日こんな嬉しいニュースが聞けて驚いたよ。でも凄くいい。お似合いだと思う」

私は興奮気味に亜依の手を取った。

「優里、ありがとう」

私がつかんだ亜依の手をさらに未来が掴んできた。

「亜依ー！　良かったね。すっごく嬉しい。ふたりならうまくいくと思う」

「うん……。ありがとう」

はにかむような笑顔に私たちは泣き笑い顔になった。
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