再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
「何があっても友達だよ。仕事で行き詰まったら今までの症例検証のように相談もし合えるし、なんでもみんなで話してきたじゃない。今日で終わりじゃないよ」

力強い言葉に私は涙を拭いて頷いた。
そしてまた斗真の顔を見た。
斗真も私を見て頷いていた。
私は胸の奥につっかえたものは斗真の顔を見るたびに深くなる。
彼の顔を見ているのが辛くてそっと視線を外した。

どのくらいの時間が経ったのだろう。
亜依たちの話も根掘り葉掘りみんなで聞きだし、幸せのお裾分けをしてもらった。
私は楽しくて普段ならこんなに飲まないのについいつもより少し多めにお酒が進んでしまった。

「優里? 大丈夫か?」

斗真が私の腕を掴みながら顔を覗き込んできた。

「へ? だいじょーぶ。だって最後なんだもん。こうやってみんなと学生でいられるの。だから楽しまないとね」

少し呂律が回らなくなってきてるのを感じるが、名残惜しくて帰りたくない。

「優里、飲み過ぎだ」

「もう! 斗真はまだ学生でいられるからいいけど私は今日が最後なの。だからいいの!」

なんとなく斗真にわがままが言いたくなってしまった。

「アイスが食べたいなぁ。斗真一緒に食べよ」

「はいはい。わかったよ。送りながらアイスでも食べようか」

宥めるような声で私を丸め込み、席を立たされた。

「ごめん、優里飲み過ぎだわ。俺送り届けてくる」




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