再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
斗真に手を引かれ、私は噴水のそばに連れてこられた。
「優里、卒業おめでとう」
どこかかしこまるような彼の言葉に私は緊張する。
「うん。ありがとう」
「俺さ、ずっと優里のことが好きだった。初めて会った時から惹かれてた。でも仲のいい俺らのグループで、もしぎこちなくなったらと思うと伝えることができなかった」
斗真?
当然紡ぎ出した彼の言葉に、心臓の音が聞こえてくる。
ドキドキして手が震えてきた。
「卒業したら言おうってずっと我慢してたんだ。でもそんなことしてて他のやつに取られたらと思うと気が気じゃなかった。周りに牽制したりするくらいなら早く伝えればいいのに、と思っていたが今の関係を壊すのが嫌だった」
斗真が私を好き?
繋がれたままの手に力が入り、彼の手の大きさを感じる。
「でもさっき京介が亜依に告白したと聞いてハッとしたよ。恐れることなく亜依に伝えた京介は男だと思った。ヤキモキしている俺なんかよりよっぽどか潔いいいよな。関係を壊したくないなんて言って俺は後悔することになるところだったのかもと慌てたよ」
私は彼の言葉に心臓が飛び出してしまいそうなくらいにドキドキしていた。
斗真の言葉に揺さぶられ、立っているのがやっとだ。
「俺は優里が好きだ。もっと早く言えば良かった。誰かに優里を取られたくない。後悔はしたくない。俺と付き合って欲しい」
はっきりと言い切った斗真の顔は真剣で、私を見つめる視線は熱を帯びていて,初めて見る表情だった。
「斗真……。本当に?」
「ああ。最初から気になっていた。一緒にグループで症例検証するときも、地域実習で行ったときも優里から目が離せなかった。優里の優しい姿に惹かれた」
「信じられない」
苦笑いを浮かべている彼は私の手を離さない。
「だろうな。優里が俺のことをなんとも思っていないのは分かってたよ」
私は斗真から視線を外せない。
「俺は優里の前向きな姿に、真剣に向き合う姿にずっと目が追いかけてたよ」
「うそ……」
「本当」
まさか斗真が私のことを?
信じられない彼の言葉に、私は何も言えず言葉に詰まる。
「みんなで遊んでいても常に周りを見て気を遣ってるだろ? 気がつかないところでフォローしてくれてる優里の心遣いがなんだか俺にはないもので、見習わないと思ってた」
「そんな……。斗真だっていつもみんなが楽しく過ごせるようにしてくれてたじゃない」
「それは優里を見習ってやっていただけ。医者になるって言ってもどこかまだわかってなかったんだけど、優里の自然な優しさを見て俺の中ですっと何かが落ちた。実習に出ても、優里ならどうするかと考えると自然と患者さんと接することができたよ」
まさか。
斗真の言葉にどんどん胸が苦しくなっていくが、彼の大きな手から温かさを感じると魔法のように私の胸の中に気持ちが流れ込んできて私の心の中も暴き出してしまう。
「私も斗真が好き……」
「え?」
斗真の真剣な表情が緩んだ。
「私も斗真が気になって仕方なかったの。でも怖くて言えなかった」
私は急に高校の頃の彼を思い出し、怖くなり、初めて彼から視線を外し俯いた。
すると彼は私の手をすっと離したと思うと抱き寄せられた。
「優里!」
私よりも頭ひとつ分以上大きな彼の腕の中に閉じ込められると、洋服越しに彼の速い鼓動を感じた。
その速さは私の速さと同調する。
腕の中に閉じ込められ、さっき一瞬でも怖いと思ってしまったのは思い違いだったとわかる。彼の中なら怖くない。
私もそっと彼の背中に腕を回した。
「優里、卒業おめでとう」
どこかかしこまるような彼の言葉に私は緊張する。
「うん。ありがとう」
「俺さ、ずっと優里のことが好きだった。初めて会った時から惹かれてた。でも仲のいい俺らのグループで、もしぎこちなくなったらと思うと伝えることができなかった」
斗真?
当然紡ぎ出した彼の言葉に、心臓の音が聞こえてくる。
ドキドキして手が震えてきた。
「卒業したら言おうってずっと我慢してたんだ。でもそんなことしてて他のやつに取られたらと思うと気が気じゃなかった。周りに牽制したりするくらいなら早く伝えればいいのに、と思っていたが今の関係を壊すのが嫌だった」
斗真が私を好き?
繋がれたままの手に力が入り、彼の手の大きさを感じる。
「でもさっき京介が亜依に告白したと聞いてハッとしたよ。恐れることなく亜依に伝えた京介は男だと思った。ヤキモキしている俺なんかよりよっぽどか潔いいいよな。関係を壊したくないなんて言って俺は後悔することになるところだったのかもと慌てたよ」
私は彼の言葉に心臓が飛び出してしまいそうなくらいにドキドキしていた。
斗真の言葉に揺さぶられ、立っているのがやっとだ。
「俺は優里が好きだ。もっと早く言えば良かった。誰かに優里を取られたくない。後悔はしたくない。俺と付き合って欲しい」
はっきりと言い切った斗真の顔は真剣で、私を見つめる視線は熱を帯びていて,初めて見る表情だった。
「斗真……。本当に?」
「ああ。最初から気になっていた。一緒にグループで症例検証するときも、地域実習で行ったときも優里から目が離せなかった。優里の優しい姿に惹かれた」
「信じられない」
苦笑いを浮かべている彼は私の手を離さない。
「だろうな。優里が俺のことをなんとも思っていないのは分かってたよ」
私は斗真から視線を外せない。
「俺は優里の前向きな姿に、真剣に向き合う姿にずっと目が追いかけてたよ」
「うそ……」
「本当」
まさか斗真が私のことを?
信じられない彼の言葉に、私は何も言えず言葉に詰まる。
「みんなで遊んでいても常に周りを見て気を遣ってるだろ? 気がつかないところでフォローしてくれてる優里の心遣いがなんだか俺にはないもので、見習わないと思ってた」
「そんな……。斗真だっていつもみんなが楽しく過ごせるようにしてくれてたじゃない」
「それは優里を見習ってやっていただけ。医者になるって言ってもどこかまだわかってなかったんだけど、優里の自然な優しさを見て俺の中ですっと何かが落ちた。実習に出ても、優里ならどうするかと考えると自然と患者さんと接することができたよ」
まさか。
斗真の言葉にどんどん胸が苦しくなっていくが、彼の大きな手から温かさを感じると魔法のように私の胸の中に気持ちが流れ込んできて私の心の中も暴き出してしまう。
「私も斗真が好き……」
「え?」
斗真の真剣な表情が緩んだ。
「私も斗真が気になって仕方なかったの。でも怖くて言えなかった」
私は急に高校の頃の彼を思い出し、怖くなり、初めて彼から視線を外し俯いた。
すると彼は私の手をすっと離したと思うと抱き寄せられた。
「優里!」
私よりも頭ひとつ分以上大きな彼の腕の中に閉じ込められると、洋服越しに彼の速い鼓動を感じた。
その速さは私の速さと同調する。
腕の中に閉じ込められ、さっき一瞬でも怖いと思ってしまったのは思い違いだったとわかる。彼の中なら怖くない。
私もそっと彼の背中に腕を回した。