再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
「赤ちゃんがここにいるって分かって幸せなの。だから育ててあげたいって思うの」

「うん」

「だからこの子のためにも仕事は辞める」

「どうして?」

とうとうこぼれ落ちた未来の涙を見て、ティッシュを渡した。
未来はゴシゴシと擦るように涙を拭く。

「斗真の重荷になりたくないから。それに私だけでも育てていけるよ」

そっと未来の肩を抱くと、嗚咽が漏れ聞こえてきた。

「そんなのダメだよ。ふたりで相談しないと……」

「でもね、もう待ち疲れちゃった。斗真にとっては私からの連絡なんてどうとも思ってなかったんだね」

心は泣いているが強がるように苦笑いを浮かべ、未来の背中をさする。

「大丈夫。貯金もかなりあるのよ。まだつわりもあるし、働けなさそうだから辞めさせてもらう」

「いいの? それで本当にいいの?」

私は頷いた。
彼からの連絡を待ち続けるのはもう嫌だ。何度も何度もスマホを確認してしまう自分が嫌だ。連絡が来るかもしれないと期待し続けるのは辛い。
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