再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
大学の頃から付き合い、卒業後も同業者として理解し合える関係は心地よく順調な付き合いだと思っていた。
彼女が先に社会人になった時に少し焦る気持ちがあった。俺より先に大人になってしまったような気持ちに駆られた。
だから俺が医師となり、早く肩を並べて働きたいと思っていた。
けれど現実は先に仕事を始めた優里は4年目。仕事にも慣れ、中堅として力を発揮し始めるところ。対して俺はひたすら先輩にかじりつき仕事を覚えているところ。
時間に追われ、体力も奪われる中で優里がどれだけ俺のサポートをしてくれたかわからない。
早く優里に近づきたい一心で歯を食いしばり頑張ってきた。
だから俺が医師として頑張るのは優里がいるからだ。
優里が全てで、彼女とは分かり合っていると思っていた。
まさか、あの時を境に会えなくなるなんて思っても見なかった。
優里からどうしても会いたいと言われるなんて今まで一度だってなかったって気がついていなかった。
俺は分かったつもりで何も分かっていなかった。
優里に支えられてばかりで、俺が彼女ににしてあげたことなんてなかったのかもしれない。

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