再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
「紗良、大丈夫?」

私が尋ねると、ケロリとした顔で頷く紗良。
少しだけホッとしていると名前を呼ばれた。

「武藤さん。武藤紗良ちゃん」

「はい」

私は買い物袋と保育園の荷物だけソファに残すと、紗良を抱き上げ、診察室の中へと入っていった。

「お願いします」

「はい。座ってくださいね」

カルテに目を落としていた医師が私たちの方を見て驚いた。
そこにいたのは忘れもしない彼だった。
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