再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
傷口が心配で1週間保育園を休むことになったが、シングルマザーの私はそんなに長く休むわけには行かない。
ひとりで育てなければならないと思うが、やはり近くに住む両親に手伝ってもらうこともある。紗良はおじいちゃんおばあちゃんが大好きでとても懐いている。

「ごめん。18時には帰れるからお願いします」

「はいはい。気をつけて行ってらっしゃい」

玄関で紗良と見送ってくれるが、すぐにバイバイと手を振られ寂しくなる。
後追いされるのも辛いが、バイバイと言われるのも寂しい。
自転車を漕ぎながら職場のクリニックへ向かう。
毎日忙しく過ごしていると先日斗真と話したことを忘れさせてくれる。
これ以上傷つきたくない。
あの時の様に時間が解決してくれると思っていた。
1週間が過ぎ、紗良の包帯も取れホチキスの針を取ってもらうと赤みや傷はまだ目立つものの綺麗に塞がっていて安心した。
来週から保育園にも行けるだろう。
紗良は早く動き回りたくてウズウズしているみたい。
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