再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
彼は私のリュックを背負うと紗良を抱き上げてくれた。
私の抱っこより視線が高くなった紗良は大喜び。
「すごーい」
「斗真、重いから下ろしていいよ」
大丈夫だから、と言い紗良を抱っこする斗真の横顔はやはり紗良と似ていると思った。
「ほら、行くよ」
そう言うと私の手を握り、歩き始めた。
「ちょ、ちょっと」
手を離そうとするが固く握られ、ほどけない。そんな私を見る斗真の顔はあの頃のように優しくて懐かしい笑顔だった。
公園を出たところにあるコンビニでパンやおにぎり、飲み物を買うと紗良がお菓子のところへ行ってしまった。斗真は着いていき、あれこれふたりで話していた。ところどころ言葉がまだはっきりしない紗良の話を解読するような姿がなんだか微笑ましかった。
「うーん。じゃ、これがいいのかな?」
持って来たのは私の好きなチョコレートとサラの好きなキャラクターのスナック菓子だった。
「ママはこれが好きって言ってた」
時々しか買わないのに紗良ったらよく見てたのね。
コンビニで会計をしているとさっと斗真が払ってしまった。
「いいよ。俺の分が多いし」
確かに斗真は昔からよく食べる。今も食べ切れるのか、と思うほどに買い込んでいた。
それよりも本当にうちに来るつもり?
彼の顔を見ると私と目が合った。
また優しく笑っていて懐かしくて胸の奥が掴まれたようにギュッとなった。
コンビニを出ると荷物を持ち、紗良の手を引いてくれた。
私は後ろをついて歩くが、ふたりの会話を聞いているだけで楽しくなる。
なかなか通じない紗良の言葉に斗真は悩まされていた。
私は全部わかるのに斗真にはわからないのね。紗良に振り回されていて、なんだか不思議。
「斗真。紗良は犬の話をしてるのよ」
「え? あぁ、そうなのか。紗良ちゃん犬の話を教えてくれてたのか」
「ワンっていうの。でもね……」
紗良はおしゃべりだが、慣れない人には聞き取れないのだろう。けれど一生懸命に説明する紗良の姿は微笑ましかった。
私の抱っこより視線が高くなった紗良は大喜び。
「すごーい」
「斗真、重いから下ろしていいよ」
大丈夫だから、と言い紗良を抱っこする斗真の横顔はやはり紗良と似ていると思った。
「ほら、行くよ」
そう言うと私の手を握り、歩き始めた。
「ちょ、ちょっと」
手を離そうとするが固く握られ、ほどけない。そんな私を見る斗真の顔はあの頃のように優しくて懐かしい笑顔だった。
公園を出たところにあるコンビニでパンやおにぎり、飲み物を買うと紗良がお菓子のところへ行ってしまった。斗真は着いていき、あれこれふたりで話していた。ところどころ言葉がまだはっきりしない紗良の話を解読するような姿がなんだか微笑ましかった。
「うーん。じゃ、これがいいのかな?」
持って来たのは私の好きなチョコレートとサラの好きなキャラクターのスナック菓子だった。
「ママはこれが好きって言ってた」
時々しか買わないのに紗良ったらよく見てたのね。
コンビニで会計をしているとさっと斗真が払ってしまった。
「いいよ。俺の分が多いし」
確かに斗真は昔からよく食べる。今も食べ切れるのか、と思うほどに買い込んでいた。
それよりも本当にうちに来るつもり?
彼の顔を見ると私と目が合った。
また優しく笑っていて懐かしくて胸の奥が掴まれたようにギュッとなった。
コンビニを出ると荷物を持ち、紗良の手を引いてくれた。
私は後ろをついて歩くが、ふたりの会話を聞いているだけで楽しくなる。
なかなか通じない紗良の言葉に斗真は悩まされていた。
私は全部わかるのに斗真にはわからないのね。紗良に振り回されていて、なんだか不思議。
「斗真。紗良は犬の話をしてるのよ」
「え? あぁ、そうなのか。紗良ちゃん犬の話を教えてくれてたのか」
「ワンっていうの。でもね……」
紗良はおしゃべりだが、慣れない人には聞き取れないのだろう。けれど一生懸命に説明する紗良の姿は微笑ましかった。