再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています

エピローグ

あの日のプロポーズを受け、斗真はすぐに私の両親へ挨拶に行ってくれた。
もちろん怒られるのを覚悟の上で、彼は緊張した面持ちだったが、紗良の手前あまり怒ることができず、渋々認めてくれた。
ただ、私にどれだけの苦労をかけたのか忘れないようにきつく言われていた。
両親の助けがなければやってこれなかったのも事実。
何度も頭を下げ、感謝と謝罪を繰り返していた。
これからは必ず幸せにします、と何度も口にしており、両親は少し安心したように見えた。

「とーま」

紗良は今も彼のことを名前で呼ぶが、関係はかなりいい。
はたから見ても親子にしか見えない。
病院のそばを離れるわけにいかず、明けの日や休みになると彼はうちに来るようになった。最近ではバイバイするときも紗良は泣かなくなった。また来るのがわかっているのだろう。この前は私が仕事の日もふたりで留守番してくれていた。
斗真には改めて紗良が斗真の子であるのも伝えた。
彼は、「分かっていたけれど、それでも改めて自分の子だと言われると嬉しい」と喜んでくれた。
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