夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「何があったのか、聞いてもいいか? 君の気持ちが落ち着いたらでいいのだが」
「わからないんです。ただ、ランスロット様が部屋を出てしばらくして、外から変な物音が聞こえて。それで扉をガチャガチャと開けようとする音が聞こえてきて」
「鍵はかけたのだろう?」
「はい。だけど、部屋に入ってくるんじゃないかと思って、それであっちの部屋に逃げました」
シャーリーの話を黙って聞いていたランスロットは、眉間に力を込めていた。
「シャーリー。そういうときは、すぐに机の上のベルを鳴らしなさい」
まるで、いたずらをした子供を咎めるような彼の口調に、シャーリーは「忘れていました」と言う。
「そうですね。ベルがありました」
「だが、それに頭が回らない程、怖い思いをしたのだろう? 一人にさせて悪かった」
ランスロットの右手が開いて閉じて開いて閉じて、と不自然な動きをしている。
「ランスロット様。抱きしめてもらってもいいですか?」
「いいのか?」
「怖かったんです」
「それは、わかっているつもりだ。だが、君は……。男性が怖いのだろう?」
「ですが、ランスロット様は別です」
シャーリーは、ランスロットの顔を見上げた。
「わからないんです。ただ、ランスロット様が部屋を出てしばらくして、外から変な物音が聞こえて。それで扉をガチャガチャと開けようとする音が聞こえてきて」
「鍵はかけたのだろう?」
「はい。だけど、部屋に入ってくるんじゃないかと思って、それであっちの部屋に逃げました」
シャーリーの話を黙って聞いていたランスロットは、眉間に力を込めていた。
「シャーリー。そういうときは、すぐに机の上のベルを鳴らしなさい」
まるで、いたずらをした子供を咎めるような彼の口調に、シャーリーは「忘れていました」と言う。
「そうですね。ベルがありました」
「だが、それに頭が回らない程、怖い思いをしたのだろう? 一人にさせて悪かった」
ランスロットの右手が開いて閉じて開いて閉じて、と不自然な動きをしている。
「ランスロット様。抱きしめてもらってもいいですか?」
「いいのか?」
「怖かったんです」
「それは、わかっているつもりだ。だが、君は……。男性が怖いのだろう?」
「ですが、ランスロット様は別です」
シャーリーは、ランスロットの顔を見上げた。