夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
ソファの周りでおろおろとしているランスロットに手を伸ばした彼女は、彼の上着の裾を力なく掴む。
「ランスロット様。私は大丈夫です。横になったら、少し落ち着きましたから」
「シャーリー」
ランスロットは膝をつき、揺らめくような儚い視線で、彼女の顔を覗き込んだ。
シャーリーは彼と目が合うと、少しだけ微笑む。
「私の机の一番下の引き出しの青い帳面。それから、一番上の引き出しの天板に貼り付けてある帳面。それは大事なもの。それだけは思い出しました」
「帳面?」
ランスロットは、目を大きく見開いて確認のために尋ねた。
「はい。それに、恐らく魔導士団の不正疑いについて書いてあるはずです」
「シャーリー。記憶が戻ったのか?」
彼の問いに「少しだけ」と答える。
「ランスロット様、その帳面を王太子殿下にお渡しください」
シャーリーはそこまで言うと、静かに目を閉じた。
「ランスロット様。私は大丈夫です。横になったら、少し落ち着きましたから」
「シャーリー」
ランスロットは膝をつき、揺らめくような儚い視線で、彼女の顔を覗き込んだ。
シャーリーは彼と目が合うと、少しだけ微笑む。
「私の机の一番下の引き出しの青い帳面。それから、一番上の引き出しの天板に貼り付けてある帳面。それは大事なもの。それだけは思い出しました」
「帳面?」
ランスロットは、目を大きく見開いて確認のために尋ねた。
「はい。それに、恐らく魔導士団の不正疑いについて書いてあるはずです」
「シャーリー。記憶が戻ったのか?」
彼の問いに「少しだけ」と答える。
「ランスロット様、その帳面を王太子殿下にお渡しください」
シャーリーはそこまで言うと、静かに目を閉じた。