夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「やぁい、六歩の男」
ブラムは、レイモンがシャーリーの五歩圏内に入れないことを揶揄った。
「ごめんなさい……」
「シャーリー殿のせいではありません。全てはあの襲ってきた男が悪いのです」
レイモンはもう一度キリリとブラムを睨みつけた。
「あの男は、私を狙っていたと。ランスはそう言っていました」
「それは、間違いないですね。あの男、シャーリーの名前をしきりに叫んでましたからね」
そう言ったブラムは、ランスロットの頬をつんつんとつついている。先ほどから彼は、ランスロットを何かと構っているのだ。
それでもランスロットは、目を覚まさず、うんうんと唸っていた。
「すまない、シャーリー殿。我が魔導士団の不手際に巻き込んでしまった」
「いえ」
過ぎたことに腹を立てたとしても、無かったことにはできない。ならば、過去を受け入れたうえで、これからどのようにしていくか、その最善策を考える方がいい。
「まだ、その惚れ薬の被害者がいないのであれば、それだけで良かったと思います。きっと、ランスもそう思っているはずです」
そうだな、とレイモンも彼女の言葉に同意する。
ブラムは、レイモンがシャーリーの五歩圏内に入れないことを揶揄った。
「ごめんなさい……」
「シャーリー殿のせいではありません。全てはあの襲ってきた男が悪いのです」
レイモンはもう一度キリリとブラムを睨みつけた。
「あの男は、私を狙っていたと。ランスはそう言っていました」
「それは、間違いないですね。あの男、シャーリーの名前をしきりに叫んでましたからね」
そう言ったブラムは、ランスロットの頬をつんつんとつついている。先ほどから彼は、ランスロットを何かと構っているのだ。
それでもランスロットは、目を覚まさず、うんうんと唸っていた。
「すまない、シャーリー殿。我が魔導士団の不手際に巻き込んでしまった」
「いえ」
過ぎたことに腹を立てたとしても、無かったことにはできない。ならば、過去を受け入れたうえで、これからどのようにしていくか、その最善策を考える方がいい。
「まだ、その惚れ薬の被害者がいないのであれば、それだけで良かったと思います。きっと、ランスもそう思っているはずです」
そうだな、とレイモンも彼女の言葉に同意する。