夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
◇◇◇◇
シャーリーは目を開けると、見知らぬ場所にいた。
このような感覚は、二度目だ。だが、あのときは記憶を失っていたから、いつもの場所を見知らぬ場所だと思った。
それでも今は、本当に見知らぬ場所である。
横になっていた場所はソファで、毛布がかけられている。シャーリーが身体を起こすと、毛布がしゅるしゅると落ちていく。
(ここ、どこかしら?)
室内は、若草色を基調とした調度品が多く、部屋の雰囲気は明るい。窓から差し込んでくる光はカーテンで遮られているものの、そのカーテンがぼんやりと明るいのだ。
「目が覚めましたか? シャーリーさん。量を間違えたのかと思って、焦りました」
シャーリーがいる場所からは、少し離れている場所にある扉が開き、一人の男性が部屋の中へと入って来た。彼はワゴンを押している。
「そろそろお茶の時間にしようと思いましてね。シャーリーさんは、甘いお菓子が好きでしたよね。僕もです」
彼はワゴンを押しながら、シャーリーの元へと近づいてくる。
灰色の髪は長く、後ろで一つに縛っている。青い瞳に眼鏡をかけているこの男は、誰だったか。
(魔導士団黒魔法部隊のダリル・ネイハス部隊長?)
シャーリーは目を開けると、見知らぬ場所にいた。
このような感覚は、二度目だ。だが、あのときは記憶を失っていたから、いつもの場所を見知らぬ場所だと思った。
それでも今は、本当に見知らぬ場所である。
横になっていた場所はソファで、毛布がかけられている。シャーリーが身体を起こすと、毛布がしゅるしゅると落ちていく。
(ここ、どこかしら?)
室内は、若草色を基調とした調度品が多く、部屋の雰囲気は明るい。窓から差し込んでくる光はカーテンで遮られているものの、そのカーテンがぼんやりと明るいのだ。
「目が覚めましたか? シャーリーさん。量を間違えたのかと思って、焦りました」
シャーリーがいる場所からは、少し離れている場所にある扉が開き、一人の男性が部屋の中へと入って来た。彼はワゴンを押している。
「そろそろお茶の時間にしようと思いましてね。シャーリーさんは、甘いお菓子が好きでしたよね。僕もです」
彼はワゴンを押しながら、シャーリーの元へと近づいてくる。
灰色の髪は長く、後ろで一つに縛っている。青い瞳に眼鏡をかけているこの男は、誰だったか。
(魔導士団黒魔法部隊のダリル・ネイハス部隊長?)