夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
次から次へと溢れ出る涙に視界を曇らせながら、シャーリーは口を閉じた。下の歯の上に舌をのせる。
ダリルはシャーリーが大人しくなったことに、安堵しているようだった。
(ランス……)
シャーリーが上の歯を舌に押し付けた。
「ダリル・ネイハス。そこまでだ」
聞きたかったその声で、シャーリーの全身から力が抜けた。
ぞろぞろと複数の者たちが部屋に入り込み、すぐさまダリルを拘束する。
「シャーリー、無事か」
ランスロットがシャーリーに駆けつけ声をかけるが、シャーリーは喋ることができない。それにいち早く気づいたのは、レイモンである。
「ランスロット殿。シャーリー殿はダリルの魔法で自由を奪われている。今、魔法を解くが……。私がシャーリー殿に触れる必要がある。私の魔力をシャーリー殿に注がなければならないからな」
それでもシャーリーは怖かった。先ほど、ダリルから無遠慮に身体に触られたばかりだからだ。そんなシャーリーの状況をランスロットは察したのだろう。
「例えば、間に俺が入ってはどうだ? 俺の身体を通して、お前の魔力をシャーリーに注ぐことはできるか?」
「シャーリー殿のことを考えれば、私が直接触れるのはよくないでしょうね。となれば、ランスロット殿の案を採用しましょう。やったことはありませんが、その方法が可能か興味はあります」
ダリルはシャーリーが大人しくなったことに、安堵しているようだった。
(ランス……)
シャーリーが上の歯を舌に押し付けた。
「ダリル・ネイハス。そこまでだ」
聞きたかったその声で、シャーリーの全身から力が抜けた。
ぞろぞろと複数の者たちが部屋に入り込み、すぐさまダリルを拘束する。
「シャーリー、無事か」
ランスロットがシャーリーに駆けつけ声をかけるが、シャーリーは喋ることができない。それにいち早く気づいたのは、レイモンである。
「ランスロット殿。シャーリー殿はダリルの魔法で自由を奪われている。今、魔法を解くが……。私がシャーリー殿に触れる必要がある。私の魔力をシャーリー殿に注がなければならないからな」
それでもシャーリーは怖かった。先ほど、ダリルから無遠慮に身体に触られたばかりだからだ。そんなシャーリーの状況をランスロットは察したのだろう。
「例えば、間に俺が入ってはどうだ? 俺の身体を通して、お前の魔力をシャーリーに注ぐことはできるか?」
「シャーリー殿のことを考えれば、私が直接触れるのはよくないでしょうね。となれば、ランスロット殿の案を採用しましょう。やったことはありませんが、その方法が可能か興味はあります」