夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「誓える」
「じゃ、誓いますと言え」
「誓います……」
 どこか不満げにその言葉を口にしたランスロットであるが、けして誓いたくないわけではない。
「シャーリー。あなたはこれからランスロットをいつも支え、妻として永遠に愛し続け、ランスロットに『愛している』と言い続けることを誓いますか?」
 シャーリーは驚いて、ランスロットを見上げた。ランスロットは、慌ててシャーリーから視線を逸らす。
 そんな彼を微笑ましく思い、シャーリーは大きく息を吸った。
「はい、誓います」
 うっすらとたなびく白い雲が、空の青さを引き立てていた。

【完】
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