夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
(身体を動かした方が、気も紛れるかもしれない)
昼前までは体力錬成のための基礎訓練が主だ。午後からは、それぞれが得意とする剣技や弓、射撃などの実務訓練となる。任務がなければ、騎士団員の一日は訓練で終わるのだ。
任務とは、もちろん要人の警護や警備。それから悪党の取り締まりや、さらには喧嘩の仲裁。格好よく諜報隊なんてのもある。
団長を務めているランスロットの役目は、もちろん騎士団を取りまとめること。現地に赴くのは、各隊だけでの解決が難しくなったときだけだ。
だから彼は王城にいることが多いし、仕事も要人、むしろ王族の警護が多い。そして、わりと多いのが事務作業である。数としては多くはなく、普通なのかもしれない。だが、ランスロットにしては気が滅入るほどの作業量となるのだ。
ランスロットが基礎訓練に顔を出したため、途端に団員たちの顔が引き締まった。
だが、その基礎訓練が終わった途端、諜報隊に所属するブラムが赤くなった手をすりすりとさすりながら、ランスロットに文句を言い出した。他の騎士たちは後片付けをし、戻り始めている。
「八つ当たりはよしてくださいよ」
「八つ当たりなどしていない。諜報の奴らは、動きが鈍くなったんじゃないのか? そんなんで諜報活動ができるのか?」
ランスロットの喝が飛ぶ。ブラムは首をすくめながらも「はいはい」と答える。こんなやり取りが許されるのは、ブラムも昔からランスロットを知っている仲であり、諜報隊の隊長を務めているからである。
昼前までは体力錬成のための基礎訓練が主だ。午後からは、それぞれが得意とする剣技や弓、射撃などの実務訓練となる。任務がなければ、騎士団員の一日は訓練で終わるのだ。
任務とは、もちろん要人の警護や警備。それから悪党の取り締まりや、さらには喧嘩の仲裁。格好よく諜報隊なんてのもある。
団長を務めているランスロットの役目は、もちろん騎士団を取りまとめること。現地に赴くのは、各隊だけでの解決が難しくなったときだけだ。
だから彼は王城にいることが多いし、仕事も要人、むしろ王族の警護が多い。そして、わりと多いのが事務作業である。数としては多くはなく、普通なのかもしれない。だが、ランスロットにしては気が滅入るほどの作業量となるのだ。
ランスロットが基礎訓練に顔を出したため、途端に団員たちの顔が引き締まった。
だが、その基礎訓練が終わった途端、諜報隊に所属するブラムが赤くなった手をすりすりとさすりながら、ランスロットに文句を言い出した。他の騎士たちは後片付けをし、戻り始めている。
「八つ当たりはよしてくださいよ」
「八つ当たりなどしていない。諜報の奴らは、動きが鈍くなったんじゃないのか? そんなんで諜報活動ができるのか?」
ランスロットの喝が飛ぶ。ブラムは首をすくめながらも「はいはい」と答える。こんなやり取りが許されるのは、ブラムも昔からランスロットを知っている仲であり、諜報隊の隊長を務めているからである。