夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「何やってんだよ」
 ジョシュアは苦笑するしかない
「それよりも、あいつが死んだってどういうことだ」
「ああ、あいつな。なかなかしぶといから、魔導士の奴らが自白魔法を使うことにしたんだ。その申請がやっと通ったから、あいつのとこに魔導士の奴らが今朝行った。ら、死んでた」
「はぁ?」
「だよな、だよな。そう思うよな?」
 ジョシュアの言っている意味がわからない。なぜ、今朝になって死んでしまったのか。
「もしかして……」
 内部の犯行だろうか。自白魔法は、倫理的観点によって使うためには王族と議会と二か所に申請する必要がある。とにかく、手続きが面倒くさい。
 騎士団の諜報隊が尋問していたが、やはり彼は口を割らなかった。そこで自白魔法を使わせるという案が出たのだが、その案の手続きを終えるまで十日程の時間を要する。
 騎士団による尋問は的確だったのか。自白魔法の必要性とそれによって予想される効果など、面倒くさい資料を提出する必要がある。本来であれば、それはランスロットの仕事であるが、今回の事件の当事者ということで、この事件に関わることを一切許されていないため、ブラムが書類を準備したはずだ。
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