夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「やはり今日も警護の目を盗んでここに来たんだな。あいつらの報告書を見ると、王太子殿下が姿を消したという魔の時間が一時間ほど、正直にあがってくるんだ。その時間帯はここにいたことを俺もわかっているから、強くは咎めないが。警護しているあいつらの身にもなってくれ」
ジョシュアはランスロットの言葉に首をすくめた。おとなしく自室の方へと戻ると思いきや、勝手にソファにドサリと腰をおろす。どうやらここに長居をするつもりのようだ。
ランスロットは運びかけの机を抱えると、隣の部屋へと持っていく。
ランスロットの執務室は、執務用の部屋と資料などを保管している部屋と執務席の後ろの部屋の三部屋に分かれている。シャーリーの机は資料室に運び入れ、彼女にはそこで仕事をこなしてもらおうと思っていた。扉続きであるため、呼べば優先的にランスロットの元に来てくれるはずだ。
シャーリーがいないときも、ベルで事務官を呼べば事務室から誰かは来てくれるのだが、とにかく呼んでから来てくれるまでが遅い。
むしろ、アンナがいないときは、ベルを何度も押す必要がある。そのため仕事が滞ってしまうことも多々あった。
(少し、埃っぽいか?)
資料室ということもあり、ランスロットも必要時にしか足を踏み入れない部屋だ。掃除は行き届いている者の、空気は少し淀んでいる。
(扉を開けっ放しにしておけばいいか……)
となれば、ランスロットの席からシャーリーの姿が見えた方が都合は良い。彼女は仕事をさぼるような人間ではないが、やはり姿が見えないと不安になってしまうのだ。
ジョシュアはランスロットの言葉に首をすくめた。おとなしく自室の方へと戻ると思いきや、勝手にソファにドサリと腰をおろす。どうやらここに長居をするつもりのようだ。
ランスロットは運びかけの机を抱えると、隣の部屋へと持っていく。
ランスロットの執務室は、執務用の部屋と資料などを保管している部屋と執務席の後ろの部屋の三部屋に分かれている。シャーリーの机は資料室に運び入れ、彼女にはそこで仕事をこなしてもらおうと思っていた。扉続きであるため、呼べば優先的にランスロットの元に来てくれるはずだ。
シャーリーがいないときも、ベルで事務官を呼べば事務室から誰かは来てくれるのだが、とにかく呼んでから来てくれるまでが遅い。
むしろ、アンナがいないときは、ベルを何度も押す必要がある。そのため仕事が滞ってしまうことも多々あった。
(少し、埃っぽいか?)
資料室ということもあり、ランスロットも必要時にしか足を踏み入れない部屋だ。掃除は行き届いている者の、空気は少し淀んでいる。
(扉を開けっ放しにしておけばいいか……)
となれば、ランスロットの席からシャーリーの姿が見えた方が都合は良い。彼女は仕事をさぼるような人間ではないが、やはり姿が見えないと不安になってしまうのだ。