オフクロサマ
「今みたいに山道も舗装されていなかっただろうから、毎日山の麓まで通うことは難しかったろうし」
「そうだね。資料館はそういったものの名残なのかもしれないね」
地図の中で見ると随分遠い場所にあるように見えたが、村事態が小さいので汗を流す前に資料館に到着することができた。
さっきまで考えてきたことが的中したようで、建物は木製でガラス張りの戸は後からつけられたものらしいことが伺えた。
オレンジ色の屋根だけが現代風にキラキラと輝いている。
ガラス戸を引いて中に足を踏み入れるとヒヤリとした冷たい空気が肌に絡みついてきた。
エアコンの風で十分すぎるほどに室内は冷やされているようだ。
入ってすぐが靴脱場になっていて、正面は長い廊下が続いている。
その奥からひとりの男性が早足でやってきた。
「これは珍しいお客さんだな」
60代くらいだろうか白髪だがガッシリとした体つきの男性が智香と勇気を見て驚いたように目を丸くした。
「あの、ここの資料館を見させていただきたいんですが」
智香の言葉に男性は大きく頷いて、緑色のスリッパを出してくれた。
「そうだね。資料館はそういったものの名残なのかもしれないね」
地図の中で見ると随分遠い場所にあるように見えたが、村事態が小さいので汗を流す前に資料館に到着することができた。
さっきまで考えてきたことが的中したようで、建物は木製でガラス張りの戸は後からつけられたものらしいことが伺えた。
オレンジ色の屋根だけが現代風にキラキラと輝いている。
ガラス戸を引いて中に足を踏み入れるとヒヤリとした冷たい空気が肌に絡みついてきた。
エアコンの風で十分すぎるほどに室内は冷やされているようだ。
入ってすぐが靴脱場になっていて、正面は長い廊下が続いている。
その奥からひとりの男性が早足でやってきた。
「これは珍しいお客さんだな」
60代くらいだろうか白髪だがガッシリとした体つきの男性が智香と勇気を見て驚いたように目を丸くした。
「あの、ここの資料館を見させていただきたいんですが」
智香の言葉に男性は大きく頷いて、緑色のスリッパを出してくれた。