オフクロサマ
☆☆☆
「あの人絶対になにか知ってたよね」
歩きながら智香が声を荒げる。
資料館の男の笑顔を思い出すと腹が立ち、紛らわせるために地面を強く踏みつけた。
「あぁ。あの人だけじゃない。きっと村人全員でなにかを隠してる」
自分たちによくしてくれた大田でさえ、教えてくれていないことがあるはずだ。
「これからどうするの?」
資料館での情報収集は不発に終わった。
次はどうやってオフクロサマについて調べればいいかわからない。
かといってこのままなにもせずに東京に帰るわけにもいかない。
「心当たりがある」
「心当たり?」
智香が聞き返すと裕貴は桜の名前を出した。
「あの人の家のリビングを覚えてるか?」
「うん。大きなテーブルがあって、本もたくさんあったよね」
「その本の中に資料館で見たのと同じものがあった」
「本当に!?」
裕貴は確信を持って頷いた。
桜と会話をしている間になにかめぼしいものがないか本棚に注目していたのだ。
そこでこのミチ村についての資料が置かれていることに気がついていた。
「あの人絶対になにか知ってたよね」
歩きながら智香が声を荒げる。
資料館の男の笑顔を思い出すと腹が立ち、紛らわせるために地面を強く踏みつけた。
「あぁ。あの人だけじゃない。きっと村人全員でなにかを隠してる」
自分たちによくしてくれた大田でさえ、教えてくれていないことがあるはずだ。
「これからどうするの?」
資料館での情報収集は不発に終わった。
次はどうやってオフクロサマについて調べればいいかわからない。
かといってこのままなにもせずに東京に帰るわけにもいかない。
「心当たりがある」
「心当たり?」
智香が聞き返すと裕貴は桜の名前を出した。
「あの人の家のリビングを覚えてるか?」
「うん。大きなテーブルがあって、本もたくさんあったよね」
「その本の中に資料館で見たのと同じものがあった」
「本当に!?」
裕貴は確信を持って頷いた。
桜と会話をしている間になにかめぼしいものがないか本棚に注目していたのだ。
そこでこのミチ村についての資料が置かれていることに気がついていた。