オフクロサマ
場所を確認したふたりが再び動き出そうとしたときだった。
ふと視線を感じて振り向くと、そこには農具を持った年配の女性が立っていた。
険しい表情でこちらを睨みつけていて、一瞬たじろぐ。
なんだろうか?
そう思っている間に女性はなにも言わずに智香たちに背を向けて歩き去ってしまった。
「なんなんだろう」
智香が眉間にシワを寄せるが、裕貴は納得した様子を表情に浮かべた。
「俺たちが村のことを嗅ぎ回ってるって、もう情報が行き渡ってるんじゃないか?」
資料館へ行ったりもしたし、そこからバレた可能性は十分にある。
村の人たちは早く自分たちに出ていって欲しがっている。
「気にすることない、行こう」
裕貴にうながされて智香はまた歩き出したのだった。
ミチ村霊園までの道のりは少し険しいものだった。
山の麓だと思っていたが急な坂道があり、そこは舗装されていない獣道となっていたのだ。
「この奥に本当に霊園があるの?」
息を切らして歩きながらつい愚痴をこぼしてしまう。
東京で霊園と言えば広くて綺麗な場所が多い。
ふと視線を感じて振り向くと、そこには農具を持った年配の女性が立っていた。
険しい表情でこちらを睨みつけていて、一瞬たじろぐ。
なんだろうか?
そう思っている間に女性はなにも言わずに智香たちに背を向けて歩き去ってしまった。
「なんなんだろう」
智香が眉間にシワを寄せるが、裕貴は納得した様子を表情に浮かべた。
「俺たちが村のことを嗅ぎ回ってるって、もう情報が行き渡ってるんじゃないか?」
資料館へ行ったりもしたし、そこからバレた可能性は十分にある。
村の人たちは早く自分たちに出ていって欲しがっている。
「気にすることない、行こう」
裕貴にうながされて智香はまた歩き出したのだった。
ミチ村霊園までの道のりは少し険しいものだった。
山の麓だと思っていたが急な坂道があり、そこは舗装されていない獣道となっていたのだ。
「この奥に本当に霊園があるの?」
息を切らして歩きながらつい愚痴をこぼしてしまう。
東京で霊園と言えば広くて綺麗な場所が多い。