オフクロサマ
「昔のお墓ってことは、ここに被害者が犯人のお墓があってもよさそうなのにね」
だけどどう見ても墓の数はすくなかった。
事件の被害者は10人だと書かれていたけれど、ここにある墓は半分の5基しかない。
「ここを霊園と名付けたけれど、何かがあって他の場所に墓を作ったのかもしれないな」
霊園と呼ぶにはあまりに乏しい場所に裕貴はそう考えた。
もしほかの場所に霊園があるのなら、今度はそれを探し出して見つけに行く必要がある。せっかくここまで来たのに不発で終わるなんて……。
ガッカリと肩を落としそうになったとき、木々に埋もれた場所に大きな石が立っているのが見えて智香は視線を向けた。
「ねぇ、あれはなにかな?」
「あれも墓じゃないか?」
確かに、智香が見慣れている墓によく似た形状をしている。
けれど、この霊園で使われている石とは随分と違う様子をしていることは間違いなかった。
その大きくて長方形の石は山の木々に覆われてここからではほとんど確認することがきない。
「あれもお墓なら一応確認しておかないと」
「そうだな。それにしても蔓がすごいな」
だけどどう見ても墓の数はすくなかった。
事件の被害者は10人だと書かれていたけれど、ここにある墓は半分の5基しかない。
「ここを霊園と名付けたけれど、何かがあって他の場所に墓を作ったのかもしれないな」
霊園と呼ぶにはあまりに乏しい場所に裕貴はそう考えた。
もしほかの場所に霊園があるのなら、今度はそれを探し出して見つけに行く必要がある。せっかくここまで来たのに不発で終わるなんて……。
ガッカリと肩を落としそうになったとき、木々に埋もれた場所に大きな石が立っているのが見えて智香は視線を向けた。
「ねぇ、あれはなにかな?」
「あれも墓じゃないか?」
確かに、智香が見慣れている墓によく似た形状をしている。
けれど、この霊園で使われている石とは随分と違う様子をしていることは間違いなかった。
その大きくて長方形の石は山の木々に覆われてここからではほとんど確認することがきない。
「あれもお墓なら一応確認しておかないと」
「そうだな。それにしても蔓がすごいな」