オフクロサマ
☆☆☆
それから何時間が経過しただろうか。
体にこもった熱と何も食べていないせいで体力が落ちて、ふたりとも言葉数が少なくなってきたとき、ようやく窓から朝日が差し込み始めた。
窓から下を覗いてみると蛇口から水が吹き出している。
ほとんどなにも見えない状態でよくあの蛇口を開けることが開けることができたものだと、裕貴自身が驚いてしまった。
そして昨日と同じように服に水を含ませて、それを朝ごはんにすることにした。
「朝はまだいいけど、昼間が怖いよね」
何度かエアコンの電源を入れてみようと心みたけれど、やはり電気は切られたままで作動しなかった。
このまま昼にさしかかると公会堂の中で蒸し風呂状態になる。
「今日の昼までに誰かが助けてくれるか、大地震が起きてそこの扉が開くか、どっちだと思う?」
裕貴の質問に智香は無言で左右に首を振った。
どっちもありえない、可能性が低すぎる。
だけどふたりはこれからその低すぎる可能性を信じてここで待っているしかないのだ。
「大田さんなら来てくれるかもしれない」
水分補給を終えた智香が言った。
それから何時間が経過しただろうか。
体にこもった熱と何も食べていないせいで体力が落ちて、ふたりとも言葉数が少なくなってきたとき、ようやく窓から朝日が差し込み始めた。
窓から下を覗いてみると蛇口から水が吹き出している。
ほとんどなにも見えない状態でよくあの蛇口を開けることが開けることができたものだと、裕貴自身が驚いてしまった。
そして昨日と同じように服に水を含ませて、それを朝ごはんにすることにした。
「朝はまだいいけど、昼間が怖いよね」
何度かエアコンの電源を入れてみようと心みたけれど、やはり電気は切られたままで作動しなかった。
このまま昼にさしかかると公会堂の中で蒸し風呂状態になる。
「今日の昼までに誰かが助けてくれるか、大地震が起きてそこの扉が開くか、どっちだと思う?」
裕貴の質問に智香は無言で左右に首を振った。
どっちもありえない、可能性が低すぎる。
だけどふたりはこれからその低すぎる可能性を信じてここで待っているしかないのだ。
「大田さんなら来てくれるかもしれない」
水分補給を終えた智香が言った。