オフクロサマ
☆☆☆
作業を初めてからどれくらい時間が経っただろうか?
周囲の悪臭はもうほとんど感じなくなってしまった。
人形は少し離れた場所に移動させられ、最後の一体になっていた。
それに手を伸ばして掴んでみると、劣化した人形はボロボロと崩れ落ちてしまった。
ほとんど土に戻っていたみたいだ。
「終わった……」
智香が呟き、その場に膝をつく。
人形はすべて移動することができた。
残っているのは土と同化した人形だけだ。
「あぁ。少し、休憩しよう」
そう答える裕貴の声はカラカラに乾いていた。
もう何時間も作業を続けていて一口も水を飲めていない。
喉はカラカラだった。
智香の隣に腰をおろして大きく息を吐きだす。
お互いに土と腐葉土で顔も服もドロドロだったけれど、それを取り払う元気も残っていなかった。
腐敗した残飯は特にひどくて、ふたりの精神をむしばんだ。
1度座り込んでしまってもう二度と立ち上がることはできないと思うほど体は疲れ切っていたが、智香のスマホが鳴り響きふたりは我に返った。
作業を初めてからどれくらい時間が経っただろうか?
周囲の悪臭はもうほとんど感じなくなってしまった。
人形は少し離れた場所に移動させられ、最後の一体になっていた。
それに手を伸ばして掴んでみると、劣化した人形はボロボロと崩れ落ちてしまった。
ほとんど土に戻っていたみたいだ。
「終わった……」
智香が呟き、その場に膝をつく。
人形はすべて移動することができた。
残っているのは土と同化した人形だけだ。
「あぁ。少し、休憩しよう」
そう答える裕貴の声はカラカラに乾いていた。
もう何時間も作業を続けていて一口も水を飲めていない。
喉はカラカラだった。
智香の隣に腰をおろして大きく息を吐きだす。
お互いに土と腐葉土で顔も服もドロドロだったけれど、それを取り払う元気も残っていなかった。
腐敗した残飯は特にひどくて、ふたりの精神をむしばんだ。
1度座り込んでしまってもう二度と立ち上がることはできないと思うほど体は疲れ切っていたが、智香のスマホが鳴り響きふたりは我に返った。