オフクロサマ
☆☆☆

「馬鹿野郎! 死にてぇのか!」


大型トラックは間一髪のところで停止した。


真一は目を見開いて立ち止まる。


「ご、ごめんなさい!」


慌てて歩道へ生きかえしたとき、あの男がいなくなっていることに気がついた。


「君、大丈夫?」


通行人のスーツの男性がかけよって声をかけてくれる。


真一はどうにか「大丈夫です」と答えると、スマホを握り締めていること
を思い出した。


そうだ、裕貴に連絡しないといけない。


俺は生きてるぞって……。

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