オフクロサマ
☆☆☆

それから数日が経過していた。


智香と裕貴と真一の３人は死んでしまった仲間の墓参りへとやってきていた。


３人共、今は集合墓地の中に眠っている。


「唯、助けられなくて本当にごめんな」


手を合わせ、きつく目を閉じた真一の頬に涙が流れた。


唯を助ける頃はあと少しのところで叶わなかった。


もしも唯じゃなくて自分がさきに狙われていたら、唯はまだ生きていたかもしれないのに。


そんな苦痛が真一を襲う。


しかし、起きてしまったことは仕方がない。


生き残った自分たちは今回のことを決して忘れないように生きていくしかないのだ。


それが、フクロダキによって殺されてしまった人たちへの供養にもつながると思っていた。


霊園を後にした３人は近くのファミリーレストランへやってきていた。


夏休みはまだまだ続いていて、周囲は相変わらず家族連れや若者の集団でにぎやかだ。


窓際の４人席に座った３人はそれぞれに食べ物を注文してぼんやりと今までのことを回想していた。


この数日間はほんとうにあっという間に過ぎていき、まるで夢を見ていたようだった。

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