オフクロサマ
すると受付の女性は少し困り顔になり、それからひとりの女性看護師が案内してくれることになった。
その対応に智香と裕貴は顔を見合わせた。
どうやら病室に案内するわけじゃなさそうだ。
院内の奥へと続く通路を歩いていると、だんだん死臭が強くなっていく気がして心臓がバクバクと早鐘をうち始める。
早くふたりの様子を確認したいのに、足はどんどん重たくなっていく。
まるでこの病院で死んでいった人たちが自分の足首に絡みついてきているような気分だ。
重たい気分で連れてこられたのは緊急治療室だった。
「山下真弓さんは今ここにいます。申し訳ありませんが、面会はできません」
機械的な声で言われて頭を下げられる。
「真弓は今どんな状態なんですか?」
何も聞けずに絶句している智香に変わり裕貴が質問をした。
その声は少しだけ震えている。
「今は、まだなんとも」
看護師が裕貴から視線を外す。
その様子で真弓の様態がよくないことを悟り、絶望的な気分になった。
「宏はどうなんですか?」
智香はどうにか声を絞り出した。
その対応に智香と裕貴は顔を見合わせた。
どうやら病室に案内するわけじゃなさそうだ。
院内の奥へと続く通路を歩いていると、だんだん死臭が強くなっていく気がして心臓がバクバクと早鐘をうち始める。
早くふたりの様子を確認したいのに、足はどんどん重たくなっていく。
まるでこの病院で死んでいった人たちが自分の足首に絡みついてきているような気分だ。
重たい気分で連れてこられたのは緊急治療室だった。
「山下真弓さんは今ここにいます。申し訳ありませんが、面会はできません」
機械的な声で言われて頭を下げられる。
「真弓は今どんな状態なんですか?」
何も聞けずに絶句している智香に変わり裕貴が質問をした。
その声は少しだけ震えている。
「今は、まだなんとも」
看護師が裕貴から視線を外す。
その様子で真弓の様態がよくないことを悟り、絶望的な気分になった。
「宏はどうなんですか?」
智香はどうにか声を絞り出した。