オフクロサマ
まわりには誰もいなかったらしいから、緊急停止ボタンを押す人もいなかったのだ。
話を聞き終えて重たいため息が吐き出される。
さっきまであれほど楽しかったのに、今は地獄に突き落とされてしまった気分だ。
「全く同じ時間に、別々の場所でだ。おかしいと思わないか」
突然別の方向から声が聞こえて顔を向けるとそこには真一が立っていた。
真一も唯同様に青ざめた顔をしていて、少しふらついている。
智香はすぐにベンチから立ち上がって真一に座るように促した。
しかし真一は4人に近づいてきただけで座ろうとはしなかった。
血走った目を大きく見開いて「真弓も宏もなにかから逃げるように何度も後ろを振り向いていたらしい」と、話を続けた。
「逃げる? なにから?」
裕貴が怪訝そうな顔になって聞くが真一は「わからない」と、左右に首を振った。
「交通事故が起こる何分か前に、ふたりの姿を目撃した人がそれぞれいたの。その人たちがなにかから逃げているように見えたって証言してるんだって」
唯が言葉を付け足す。
「本当になにかから逃げてたの?」
話を聞き終えて重たいため息が吐き出される。
さっきまであれほど楽しかったのに、今は地獄に突き落とされてしまった気分だ。
「全く同じ時間に、別々の場所でだ。おかしいと思わないか」
突然別の方向から声が聞こえて顔を向けるとそこには真一が立っていた。
真一も唯同様に青ざめた顔をしていて、少しふらついている。
智香はすぐにベンチから立ち上がって真一に座るように促した。
しかし真一は4人に近づいてきただけで座ろうとはしなかった。
血走った目を大きく見開いて「真弓も宏もなにかから逃げるように何度も後ろを振り向いていたらしい」と、話を続けた。
「逃げる? なにから?」
裕貴が怪訝そうな顔になって聞くが真一は「わからない」と、左右に首を振った。
「交通事故が起こる何分か前に、ふたりの姿を目撃した人がそれぞれいたの。その人たちがなにかから逃げているように見えたって証言してるんだって」
唯が言葉を付け足す。
「本当になにかから逃げてたの?」