オフクロサマ
夏休みと言っても部活動は行われているし、こうして真っ昼間から制服で動いていても通報されることもなかった。
「それで、話しって?」
それぞれドリンクバーを注文してとりあえず飲み物を用意してから、裕貴が切り出した。
しかし唯と真一は黙り込んだままうつむいている。
唯は膝の腕で手を組んでキツク握り締めているようだ。
「唯、なにをそんなに怖がっているの? なにかが怖いのならちゃんと言ってくれないと助けてあげられないよ?」
智香が言うと、唯はようやく顔を上げた。
その目にはうっすらと涙が滲んでいて、それはふたりの葬儀が原因ではなさそうだった。
もっと別のなにかが唯と真一の心を侵食している。
唯はオレンジジュースを一口飲み、勇気を振り絞るようにして口を開いた。
「こ、今度は私達の番だと思う」
その言葉に一瞬呼吸をすることを忘れてしまった。
今度は私達の番?
それがなにを指しているのか、ついさっき出てきた葬儀会場の場面が給食に脳裏に浮かび、その遺影が唯のものになった。
「なに言ってるの?」
自分でも信じられないくらい乾いた声が出た。
「それで、話しって?」
それぞれドリンクバーを注文してとりあえず飲み物を用意してから、裕貴が切り出した。
しかし唯と真一は黙り込んだままうつむいている。
唯は膝の腕で手を組んでキツク握り締めているようだ。
「唯、なにをそんなに怖がっているの? なにかが怖いのならちゃんと言ってくれないと助けてあげられないよ?」
智香が言うと、唯はようやく顔を上げた。
その目にはうっすらと涙が滲んでいて、それはふたりの葬儀が原因ではなさそうだった。
もっと別のなにかが唯と真一の心を侵食している。
唯はオレンジジュースを一口飲み、勇気を振り絞るようにして口を開いた。
「こ、今度は私達の番だと思う」
その言葉に一瞬呼吸をすることを忘れてしまった。
今度は私達の番?
それがなにを指しているのか、ついさっき出てきた葬儀会場の場面が給食に脳裏に浮かび、その遺影が唯のものになった。
「なに言ってるの?」
自分でも信じられないくらい乾いた声が出た。