オフクロサマ
普通に考えればなにか危険な薬物でもやっていたように思える。


「まさか、祭りに参加したときに変な人に誘われて薬に手を出したとか?」


智香が呟き裕貴が目を見開いた。


そして唯と真一も同じ薬に手を出してしまい、誰かに追われるような幻覚が見えているのかもしれない。


自分の友人たちが薬に手を染めるなんて考えたくないけれど、そう考えるのが一番妥当だ。


「他に岡山の祭りはなにがある?」


裕貴に聞かれて音声認識を使って更に調べ物を勧めた。


津山市のごんご祭り、鏡野町の大納涼祭、倉敷天領松祭り。


様々なイベントが出てくるが、やはり有名なのはうらじゃだろうか。


そう思った時、ふと4人が旅行へ行く前に言っていた言葉を思い出した。


「なんだっけ、ゴー、ゴーとか、なんとか、言ってなかった?」


眉間にシワを寄せてどうにか思い出そうとするけれど、なにを言っていたのかはっきりと思い出すことができない。


「あぁ、ゴーサマー! だろ? あいつら浮かれてずっとゴーサマー! って言ってたよな」


その時のことを思い出して裕貴はクスッと笑った。

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