オフクロサマ
☆☆☆
その翌日にはふたりは岡山へ行くための準備を整えていた。
智香が旅行へ出かけることでひとりぼっちになってしまう陽太は泣いてぐずったけれど、日中は近所の友だちの家に預けることができるということでどうにか納得してくれた。
「ごめんね、夏休み中は陽太のことは私がみる予定だったのに」
大きなキャリーバッグを引いて玄関先で立ち止まり、智香が申し訳無さそうに言う。
「いいのよ。もう十分見てくれたんだから、たまには遊びに行きなさい」
今日も仕事のある母親は玄関先までしか見送れないことを残念に感じているようだ。
だけど智香からすればちょうどよかった。
家族にはた裕貴と一緒に遊びに言ってくるとしか伝えていない。
駅まで送ってもらっている間に、つい自分たちがお祭りについて調べに行くのだと漏らしてしまいそうだった。
「じゃあ行ってくる」
「お姉ちゃん、お土産待ってるからね!」
母親の後ろから陽太が慌てた様子で出てきてそう言った。
さっきまでぐずっていたけれど智香が本当に行ってしまうとわかってかけつけたのだ。
その翌日にはふたりは岡山へ行くための準備を整えていた。
智香が旅行へ出かけることでひとりぼっちになってしまう陽太は泣いてぐずったけれど、日中は近所の友だちの家に預けることができるということでどうにか納得してくれた。
「ごめんね、夏休み中は陽太のことは私がみる予定だったのに」
大きなキャリーバッグを引いて玄関先で立ち止まり、智香が申し訳無さそうに言う。
「いいのよ。もう十分見てくれたんだから、たまには遊びに行きなさい」
今日も仕事のある母親は玄関先までしか見送れないことを残念に感じているようだ。
だけど智香からすればちょうどよかった。
家族にはた裕貴と一緒に遊びに言ってくるとしか伝えていない。
駅まで送ってもらっている間に、つい自分たちがお祭りについて調べに行くのだと漏らしてしまいそうだった。
「じゃあ行ってくる」
「お姉ちゃん、お土産待ってるからね!」
母親の後ろから陽太が慌てた様子で出てきてそう言った。
さっきまでぐずっていたけれど智香が本当に行ってしまうとわかってかけつけたのだ。