オフクロサマ
でも、これなら呪いの祭りなども期待できそうだ。


それからふたりは手分けをして本を調べ始めた。


今でも言い伝えが残っているような伝統行事はいくつかある。


祭り系の類は特にそうだ。


大昔自然災害にあった人たちが祈願したことが発端だったり、流行病をどうにかしたい人たちが神頼みしていたものが進化していったものだ。


「あっ!」


30分ほど調べ物をしたときだった、裕貴が声を上げて本をめくるページを止めた。


「なにか見つけた?」


小声で話しかけて顔を寄せると、そこにはひとつの祭りが紹介されていた。


護法祭。


それは岡山県久米郡で行われている祭りで、国の無形民俗文化財とされている。


地元ではゴーサマと呼ばれている。


「ゴーサマって、護法祭のことだったんだ」


それにしても国の無形民族文化財とはどういうことだろう。


そんな有名な祭りに参加したために死ぬことなんてあるだろうか?


やっぱり真弓と宏のふたりは変な連中に絡まれて薬物に手を出したのが原因じゃないだろうか。


疑問に感じて更に記事を読みすすめる。
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