オフクロサマ
その中から気になる民泊を数カ所選んでパンフレットをもらうと案内所から離れた。


人々の熱気に汗が止まらない。


できれば早く休める場所に行きたかった。


その後ふたりは男性からもらったパンフレットを元に近場の民泊に電話を入れた。


幸い部屋は開いていて、ふたりで同じ場所に泊まれることになった。


しかも朝食はセットになっているという。


「よかった。今から行っても大丈夫みたいだ」


チャックインにはまだ早いかと思ったが、部屋は開いているから大丈夫だと言われたようで裕貴がホッとした表情になった。


今まで顔には出してこなかったけれど、長旅の疲れが出てきたみたいだ。


せっかくだから屋台でお好み焼きや焼きそばを購入して宿へ向かうことになった。


今夜のご飯は屋台メシになりそうだ。


今夜の目的もきまり、人々の活気に触れて少しだけ元気が出た智香は、疲れていても宿まで歩くことも苦ではなかった。


今日はゆっくり湯船につかって、腕をマッサージしよう。


民泊の引き戸を開けるとすぐに女性が出てきてくれた。


民泊でも、女将さんと呼ぶのだろうか。
< 50 / 220 >

この作品をシェア

pagetop