オフクロサマ
まさか旅行先でなにか大変な事件にでも巻き込まれてしまったんじゃないだろうか。
そんな嫌な予感が胸をよぎっていく。
「大丈夫」
隣に座る真弓がようやく声を発した。
その声はガラガラにしわがれて、朝からなにも飲んでいないようだった。
「本当に大丈夫か? 旅行はどうだったんだ?」
ようやく友人のひとりが反応してくれたことが嬉しくて、裕貴が身を乗り出して質問を加える。
すると真弓は不安そうにひとみを揺らして他の3人を見つめた。
その視線に気がついたのか、宏が軽く左右に首を振った。
肩に触れそうな長さの髪の毛を金色に染めている宏は、目の下にクマを作っていて唇はカサカサに乾いている。
この中では一番美容に関して知識があり、自分でも色々とメークに挑戦している宏にしてはちょっと考えられないことだった。
今日は普段の綺麗な顔は保たれていない。
とにかく人数分のドリンクバーを注文し、それぞれに烏龍茶を持ってきた。
それでも4人は手をつけようとしない。
乾燥しきった宏に唇がやけに気になった。
「どうしたんだよ宏、なにがあったんだよ?」
そんな嫌な予感が胸をよぎっていく。
「大丈夫」
隣に座る真弓がようやく声を発した。
その声はガラガラにしわがれて、朝からなにも飲んでいないようだった。
「本当に大丈夫か? 旅行はどうだったんだ?」
ようやく友人のひとりが反応してくれたことが嬉しくて、裕貴が身を乗り出して質問を加える。
すると真弓は不安そうにひとみを揺らして他の3人を見つめた。
その視線に気がついたのか、宏が軽く左右に首を振った。
肩に触れそうな長さの髪の毛を金色に染めている宏は、目の下にクマを作っていて唇はカサカサに乾いている。
この中では一番美容に関して知識があり、自分でも色々とメークに挑戦している宏にしてはちょっと考えられないことだった。
今日は普段の綺麗な顔は保たれていない。
とにかく人数分のドリンクバーを注文し、それぞれに烏龍茶を持ってきた。
それでも4人は手をつけようとしない。
乾燥しきった宏に唇がやけに気になった。
「どうしたんだよ宏、なにがあったんだよ?」