オフクロサマ
☆☆☆
「今日東京に帰られるんですか?」
民泊を出た時女将さんにそう声をかけられた。
一瞬ふたりは目配せをする。
真一の言っていた村に行こうにもちゃんとした名前すらわからない。
民泊を出る時に女将さんに聞いてみようと思っていたところだったのだ。
「いえ、まだ岡山観光をする予定なんです」
智香が笑顔で答える。
「それで聞きたいことがあるんですけど、岡山にみち、なんとかっていう村がありますか?」
続けて裕貴が質問をすると女将さんはまばたきをした。
「みち? みちなんとかですか……」
眉間にシワを寄せて首をかしげる。
やはりこれだけの情報ではわからないのかもしれない。
「いいです。自分たちで探してみますから」
時間ももったいないし、とにかく行動を続けたくて裕貴がそう言ったときだった。
ふと思い出したように女将さんの表情が変わった。
さっきまでよりも険しくなり、少し怯えているようにも見える。
「もしかして、ミチ村のことかしら?」
「ミチ村?」
裕貴は身を乗り出すようにして聞き返した。
「今日東京に帰られるんですか?」
民泊を出た時女将さんにそう声をかけられた。
一瞬ふたりは目配せをする。
真一の言っていた村に行こうにもちゃんとした名前すらわからない。
民泊を出る時に女将さんに聞いてみようと思っていたところだったのだ。
「いえ、まだ岡山観光をする予定なんです」
智香が笑顔で答える。
「それで聞きたいことがあるんですけど、岡山にみち、なんとかっていう村がありますか?」
続けて裕貴が質問をすると女将さんはまばたきをした。
「みち? みちなんとかですか……」
眉間にシワを寄せて首をかしげる。
やはりこれだけの情報ではわからないのかもしれない。
「いいです。自分たちで探してみますから」
時間ももったいないし、とにかく行動を続けたくて裕貴がそう言ったときだった。
ふと思い出したように女将さんの表情が変わった。
さっきまでよりも険しくなり、少し怯えているようにも見える。
「もしかして、ミチ村のことかしら?」
「ミチ村?」
裕貴は身を乗り出すようにして聞き返した。