オフクロサマ
時々蚊が近づいてきては不快な羽音を響かせる以外に、変わったことはなにもない。
「そうだな。もう30分くらいは歩いたかな」
裕貴がそう答えたときだった。
不意に道路の右手が大きく開けてふたりは同時に立ち止まった。
開けた場所には看板が立っていて、「ミチ村へようこそ!」と書かれている。
随分とさびれて字は殆ど消えかかっていたけれど、かろうじて読み取ることができた。
「ここだ!」
咄嗟に大きな声が出て笑顔になる。
ようやく目的地に到着した安堵感から智香は大きく息を吐きだした。
大きな荷物を持ってこのままあるき続けるのはさすがに限界に近いと感じていたところだった。
看板の横を通って村内へ足を踏み入れるとそこには田畑と小川が広がっていて、のどかな風景が見られた。
「へぇ……」
以外な光景に智香が感嘆とした声を漏らす。
廃村というからもっと荒れ果てた村を想像していたけれど、今でも田畑はキレイに管理されていて小川の水も透明度が高い。
美咲町で見た川もキレイで清涼感があったけれど、ここは山に囲まれているからそれ以上の清々しさがあった。
「そうだな。もう30分くらいは歩いたかな」
裕貴がそう答えたときだった。
不意に道路の右手が大きく開けてふたりは同時に立ち止まった。
開けた場所には看板が立っていて、「ミチ村へようこそ!」と書かれている。
随分とさびれて字は殆ど消えかかっていたけれど、かろうじて読み取ることができた。
「ここだ!」
咄嗟に大きな声が出て笑顔になる。
ようやく目的地に到着した安堵感から智香は大きく息を吐きだした。
大きな荷物を持ってこのままあるき続けるのはさすがに限界に近いと感じていたところだった。
看板の横を通って村内へ足を踏み入れるとそこには田畑と小川が広がっていて、のどかな風景が見られた。
「へぇ……」
以外な光景に智香が感嘆とした声を漏らす。
廃村というからもっと荒れ果てた村を想像していたけれど、今でも田畑はキレイに管理されていて小川の水も透明度が高い。
美咲町で見た川もキレイで清涼感があったけれど、ここは山に囲まれているからそれ以上の清々しさがあった。