オフクロサマ
☆☆☆
ふたりが連れてこられたのは村のちょうど真ん中に位置する古い建物だった。
他の民家はそれほど古く感じないが、公会堂と書かれた文字は今にも消えてしまいそうになっていた。
「建て直せばいいのに、もう何十年もずっとこのままなんだ」
大田さんはそう言いながら扉の鍵を開けてくれた。
重たそうな木製の扉を開くとモワッとしたこもった空気が流れ出す。
公会堂の中には小さな窓しかないようで、埃っぽさが充満していて智香は思わず顔をしかめてしまった。
「掃除をすればマシになるから」
扉を大きく開いて靴を脱いで中に上がると、埃で足跡がついていく。
「僕、掃除手伝う!」
一緒についてきた安喜くんが元気に言いドタドタと埃を撒き散らしながら公会堂の奥へと向かった。
そこにはロッカーがあり、開くと掃除道具が入れられていた。
そこからホウキと雑巾を取り出して、外にある水道を使って掃除を開始する。
「なんだか教室の掃除をしてるみたい」
ホウキで埃を吐き出しながら智香は楽しくなってきていた。
毎日学校でこうして掃除をしているから、掃除をすることは苦ではなかった。
ふたりが連れてこられたのは村のちょうど真ん中に位置する古い建物だった。
他の民家はそれほど古く感じないが、公会堂と書かれた文字は今にも消えてしまいそうになっていた。
「建て直せばいいのに、もう何十年もずっとこのままなんだ」
大田さんはそう言いながら扉の鍵を開けてくれた。
重たそうな木製の扉を開くとモワッとしたこもった空気が流れ出す。
公会堂の中には小さな窓しかないようで、埃っぽさが充満していて智香は思わず顔をしかめてしまった。
「掃除をすればマシになるから」
扉を大きく開いて靴を脱いで中に上がると、埃で足跡がついていく。
「僕、掃除手伝う!」
一緒についてきた安喜くんが元気に言いドタドタと埃を撒き散らしながら公会堂の奥へと向かった。
そこにはロッカーがあり、開くと掃除道具が入れられていた。
そこからホウキと雑巾を取り出して、外にある水道を使って掃除を開始する。
「なんだか教室の掃除をしてるみたい」
ホウキで埃を吐き出しながら智香は楽しくなってきていた。
毎日学校でこうして掃除をしているから、掃除をすることは苦ではなかった。