オフクロサマ
友人らとはしゃぎながら教室がきれいになっていくのは楽しくて心地いい。


「布団はこれを使って」


公会堂の掃除を続けていると大田さんは二組の布団を持ってきてくれた。


「ありがとうございます!」


心から感謝してそれを受け取る。


これで安眠を確保できそうだ。


「トイレは外にあるし、風呂は家に来ればいいから。村には一軒だけ商店があるけれど、祭りの日には休みになるから、今日は空いて無いんだ」


「だけど出店が出るんだよ!」


「へぇ、どんな出店があるの?」


しゃがみこんで智香が尋ねると安喜くんは目を輝かせてイチゴ飴やクレープと言った甘い食べ物を口に出し始めた。


「安喜が言っているのは全部お菓子みたいなものばかりじゃないか」


大田さんは呆れ顔で、安喜くんはテレたように笑った。


「他にも屋台は出るから大丈夫だよ」


「それを聞いて安心しました」


小さな村でも祭りは大々的に行われるみたいだ。


「ただ、屋台で買い物をするもの早い時間のほうがいい。あまり遅くなると買えなくなるから」


「わかりました」
< 86 / 220 >

この作品をシェア

pagetop