アイドルに恋した日

彩菜side

6月が終わり7月の頭。


もうすぐ夏休みで嬉しい気持ち反面、

焦りと不安で胸がいっぱいだった。

その理由はすぐに分かった。


「もう、デビューまで半年を切りました。気を引き締めて練習に挑むように。」


アイドルの候補生として1年弱練習してきた。

先日、事務所からデビューメンバーに選ばれたことを伝えられた。



「夏休みは寮への引っ越しもあるので、荷造り進めとくように!」



マネージャーからの連絡事項を聞き練習を終えたが、

不安で残って練習することにした。



「そろそろ、帰ろうかな、、、。」

掃除をし、電気も消して練習室から出ようとした時だった。



誰かの足音が聞こる。



とっさに近くのロッカーに隠れてしまった。



誰かが入ってくる。

女性と男性?

何か話しているが聞き取れない。


何で隠れたんだろう。少し、後悔していると男女が抱き合ってるのが見えた。



えっ!/////



とっさに頭がフル回転する。

この練習室はデビューしたメンバー、デビュー決定したメンバー、

俳優、女優の演技レッスン時、数名のスタッフしか入れないはず。


ってことは、見てはいけないもの!?

1人でパニック状態になっていた。

思わず、声がでそうになるが必死に堪えるが少し声が漏れた。


男性が振り向きこちらを見る。



豹先輩だ。



以前からチャラ男っぽいって噂が流れていたが本当だと確信した。


女性が出ていき、私の方に向かっていた豹先輩も練習室から出る。



正直信じたくはないが、見てしまった。



数分後、ロッカーからでて帰路につくが頭の中は豹先輩のことでいっぱいだった。
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